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2023年3月20日

コラム

2023年のイベントはこうなる?

収容規制の解除や大声を出して応援が可能になるなど、2023年は人が集まるイベントがようやく開催できるようになりそうです。
オンライン対応などこの2年間で様変わりしたイベントについて、また2023年はイベントがどうなるのか、当社の人材コーディネーターとして活躍するヨシエさんとトキタくんが話をしてみました。

オンライン・ハイブリッドは続く

(ヨシエさん)まずは振り返ってみましょうか。感染症の拡大した2020年から2年の間は、リモート会議やオンラインイベントが増えて、みんな慣れてきました。リモート会議やオンラインイベントという言葉をみんなが口にするようになりましたよね。

(トキタくん)そうですよね。その後、感染状況も改善してきて、2022年の10月くらいからはリアルでの開催も増えてきたと感じます。オンラインとリアルの双方のメリットを合わせたハイブリッドイベントが、2023年も続きそうだなって思っています。

(ヨシエさん)はい。オンラインイベントは感染症対策だけでなく、時間や場所の制限がなく参加しやすいこと、会場キャパシティによる参加人数制限がなく、長期間開催してもコストが高くならない、といったメリットがあって、実際に会場でイベントができるようになっても、オンラインは欠かせないということが多いようですね。

(トキタくん)たしかにそうですね。一方で、顔を合わせて商談するリアルなコミュニケーションのニーズもこれまで以上に高くなっているなと感じます。人と会ったり実機を見て触ることでしか確認できない、質感や動きなどスペック以外の情報、動作確認や担当者の熱意や信頼度の確認、臨場感などは、オンラインでは中々伝わりづらいですよね。

(人材コーディネーター トキタくん)

(ヨシエさん)どちらもメリットとデメリットがあると思いますね。映像の収録や配信は展示ブースでもステージや展示品の紹介を中継で繋ぐと言った見せ方や、展示会に合わせて、主催者も出展者も独自の番組を配信することも増えてきました。

(トキタくん)わかります。MCやキャストは、これまでと違ったスキルが必要になってきました。リアルでの話し方とオンラインでは、だいぶ変わってきます。たとえばリモート会議で…同時に話し出してしまったり、逆に譲り合ったり。

(ヨシエさん)そのタイミングは接遇のプロでも難しいと感じているみたいですね。掛け合いを自然にするには、これまでとは違うトレーニングと経験が必要だなって。なので台本通りに進行するステージでは、リアクションするタイミング、質問するタイミング、話の切り替えを実はしっかりと打合せできめておきます。トキタくんはどうですか?

(トキタくん)私もどういう感じで進めるか、アドリブが多い場合でもリハーサルで、合わせておきます。リアルの会場ですと、現場で打合せをしっかりでき、相手との関係を深めやすく、何回か同じステージを行うこともあるのですが、オンラインでも同じような事前準備ができるように、関係性を高めるためアイスブレイクをしてから進めることもあります。

(ヨシエさん)なるほど。プレゼンテーションやセミナーは聞き手の方にしっかりと伝えることが目的ですからね。モニター越しですと、無機質に一方的に話す感じになりがちなので、カメラの向こう側のお客様に話しかける意識を強くもてるようになれば良いと思います。

(トキタくん)はい。目配りもリアル会場なら何人かの人に話しかけるように視線を動かしますが、オンラインではカメラ目線が基本ですし。それでも話しかけているように振る舞うことで、親近感を感じていただけるかなと。

(ヨシエさん)サピエントでも先日リリースした「SAPI-MO(サピーモ)」で、かなり意識していますよね。半分バーチャルというか、リアルの会場へ来場した方にリモートで接遇する仕組みについては、多くの方とコミュニケーションを取るポイントとして声かけのタイミングを重要視していますし。

(トキタくん)ブースに人が来たらすぐに声をかけるのではなく、来場者に一通り見ていただいてから、興味を持ってもらったものについて話しかけるとか、とにかく相手の様子を見ることが大切だと感じます。お客様も、こうした形のコミュニケーションには慣れていませんので、驚かせずに自然と話しかけることや、そのための環境を整えることには尽力をしています。

(リモート接客サービス SAPI-MO[サピーモ])

イベントの前後がつながる

(ヨシエさん)さて、色々と話したけど今後は遠隔地の人はオンラインで、会場に来られる人はリアルで、と言った参加の仕方が一般的になるという予想でした。さらに感じるのは、例えば事前にオンラインで情報収集して、会期中はできるだけ多くの人、モノと出会い、事後に商談を詰めているお客様がこれから増えていくと思いませんか?

(トキタくん)オンラインとリアルがあるからこそできる、効率的なつながり方ですよね。これまでも、イベント当日だけでなく事前・事後の購買プロセスにおいて最適化を行う企業もありましたが、ハイブリッド開催が増えることで、いわゆる会場…イベント内ですべてのビジネス商談を完結させるスタイルが一般化するのではないかと。

(ヨシエさん)そうした動きはたしかに感じます。あとは特に、BtoCのイベントでその場で起こったことがリアル会場を飛び出し、SNSを通じてどれだけ世の中に波及するか…認知を重要視した施策も力を入れているなと。

(トキタくん)「SNSアカウントをフォローしたらノベルティをプレゼント」とか増えましたよね。アンケート収集が今まで一般的でしたけど、この前のオートサロンではかなり見受けられました。一方で、SNSで拡散して人の気持ちを動かすことの難しさも感じます。何を発信するかも大切ですが、誰が発信するかということが重要なのだろうなと思います。

(ヨシエさん)展示会やイベントにインフルエンサーを招き、会場でライブ配信をしてもらって販売するといったことも増えましたね。製品やサービスと同じように、発信する人の魅力との相乗効果で、ブランドの力になっています。

(トキタくん)出展企業・クライアントのご担当者様のなかで、インフルエンサーになれる方を育成することも効果的になっていますよね。アテンダント(コンパニオン)やMCでもプレゼンテーション力だけでなく、発信力がある方へのニーズが増えてくるかもしれません。だからサピエントでもインフルエンサーのサービスをこっそり始めていこうとしています。

(ヨシエさん)実はそうなんですよね。(笑)その他にも、人材派遣業に新しい要望として多くなっているのは、外国語対応ができる人材、VIP対応の接遇ができる人材が増えてきました。また、ジェンダーバランスへの配慮という観点から、男性の司会やキャストのニーズが高まっています。

(インフルエンサーを起用したPR実績)

大型イベントの再開

(トキタくん)今年は「東京モーターショー」が「ジャパンモビリティショー」に名称変更して、4年ぶりに開催されるなど、華やかなイベントがたくさん復活してきました。東京モーターショーは華があるだけでなく、私どもにとっては多数のクライアント様が出展される特別なイベントで、アテンダント・モデル・MCの方もここに参加することが大きな自信になります。

(ヨシエさん)そうですね。あと忘れてはならないのが、大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)開催まであと2年ということ。すでに万博に向けた準備や企画が進んでいます。日本のイベント産業は1970年の大阪万博を機に大きく成長したということもあり、今回も私たちにとって大きな進化のきっかけになると思います。

(トキタくん)東京五輪(東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会)と同様に新しいメガイベントの役割と在り方を考え、実現する機会だと思います。科学の進歩や経済成長というテーマから、人類共通社会課題の解決や未来社会をデザインする場を、人材の面でサポートしていきたいですね。

(ヨシエさん)イベントの型は時代とともに変わってきましたが、来場者が直接触れ合うのはいつでも“人”です。クライアントの“顔”として来場されるお客様に、ご満足いただけるおもてなしと情報をご提供するために、オンラインでもリアルでも常に最適な形を追求するのが私たちの仕事なのだと思います。お疲れ様でした。

(人材コーディネーター ヨシエさん・トキタくん)
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